結膜炎

結膜とは白目の表面から瞼の裏側までを覆った粘膜の部分です。この部分に何らの要因で炎症が起こることを結膜炎といいます。原因にはいくつかの種類があり、その中でもアレルギー性・ウイルス性による結膜炎が原因のものが多くみられます。
 

ウイルス性結膜炎の種類

【流行性角結膜炎】
いわゆる「はやり目」といわれる感染力が非常に強い結膜炎です。感染してから1~2週間後に充血、めやに・涙が増える、まぶたの腫れ、ゴロゴロ、ショボショボ、耳の前のリンパ節の腫れなどの症状が現れます。

【急性出血性結膜炎】
感染してから1~2日後に白目やまぶたの裏に出血を起こし、ゴロゴロしたり涙が増えます。両目に症状が出ることが多いです。

【咽頭結膜熱】
プールで感染することが多いので「プール熱」とも呼ばれます。感染してから5~7日ではやり目の症状以外に、喉の痛みや腫れ、高熱などの症状が現れます。

【その他のウイルス性結膜炎】
単純ヘルペスウイルスは片眼性が多く子供から30歳代までの成人に多くみられます。水痘、麻疹、風疹に合併する結膜炎は子供に多く、帯状疱疹の結膜炎は高齢者に多いです。はやり目に比べて感染力は弱いといわれていますが同様の注意が必要です。

ウイルス性結膜炎の特効薬はありませんが、十分に休養を摂ることが大切です。炎症が強く出ることが多いため、それを抑えるために抗菌の点眼薬やステロイドの点眼薬などを使用します。症状が落ち着いても結膜に膜がはったり(偽膜)、角膜が濁って視力低下を引き起こすことがあるので、治療を自己中止せず医師の指示に従うことが大切です。

また、感染力が非常に強いので、身近な人に感染しないように気を付けていただく必要があります。学校・幼稚園・保育園は医師の許可があるまで休む、手を石鹸でよく洗う、家族とタオルを共有しない、人混みを避けるなどの注意が必要です。身近な方で同様の症状が現れた際は、必ず眼科を受診していただくようお願いします。
 

アレルギー性結膜炎の種類

アレルギー性結膜炎は、季節性による要因と通年性による要因とに分けられます。目のかゆみ、充血、まぶたの腫れの症状が現れます。目をこすってしまうと結膜や角膜が傷ついてしまい、目がゴロゴロしたり、かすみ、痛みが出ることもあります。

【季節性アレルギー性結膜炎】
季節性アレルギー性結膜炎の患者さんの大半は花粉が原因といわれています。春に飛ぶスギ花粉によるアレルギー性結膜炎は毎年多くの方が発症します。その他に原因となる花粉はヒノキ、ハンノキ、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギなど発症時期は様々です。

治療は抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬などを使用します。症状によって異なりますので、医師の指示に従って使用して下さい。花粉が飛散する2週間前から治療する初期療法によって、花粉症の症状が出る時期を遅らせることや、症状を軽減することが期待できるといわれています。

症状を軽減させるためには、花粉の飛散量が多いときは外出を控える、マスクやメガネを使用する、たばこ・お酒・刺激の強い香辛料を控える、ストレスをためない、コンタクトレンズの使用を控えるなどが挙げられます。

【通年性アレルギー性結膜炎】
ダニやほこりなどのハウスダストによるアレルギーを通年性アレルギー性結膜炎といいます。ハウスダストは季節を問わず室内にあるため、症状は1年中みられます。

治療は抗アレルギー点眼薬を使用することが多いです。症状が重い方はステロイド点眼薬を使うこともありますが、医師の指示に従って使用して下さい。

症状を軽減させるためには、まめに室内の掃除をしてハウスダストを減らす、部屋の風通しを良くする、布団を干す、寝具は清潔に保つ、ぬいぐるみや布製のソファー、絨毯などはダニの温床になるのでできるだけ置かない、床はフローリングが望ましい、規則正しい生活を心掛ける、ストレスをためない、バランスの良い食事を心掛ける、適度な運動などが挙げられます。